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坂佐井 馨; 片桐 政樹; 松林 政仁; 中村 龍也; 近藤 泰洋*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 52(5), p.1856 - 1859, 2005/10
被引用回数:9 パーセンタイル:53.19(Engineering, Electrical & Electronic)中性子検出を目的として、RBPO(R=Ca, Sr)系蛍光体のストレージ特性を調べた。CaBPO:Ce及びSrBPO:Ce蛍光体の輝尽性蛍光出力を増大させるため、フッ素原子を導入し、その母体に対する添加モル比を最適化した。また、フッ素原子や臭素原子の導入はSrBPO:Eu蛍光体の輝尽性蛍光出力の増大には効果的ではなかったが、LiBO粉末を導入するとその輝尽性蛍光出力が大幅に増大することを見いだした。これらの蛍光体は軽元素より構成されているため、低い線感度を有する中性子ストレージ蛍光体として使用可能である。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 中村 龍也
JAERI-Research 2004-019, 33 Pages, 2004/12
新しい中性子イメージングプレートの材料として、比較的軽元素から構成され、中性子コンバータであるホウ素(B)を母体に含むSrBPO:Eu輝尽性蛍光体の中性子イメージ特性について調べた。本蛍光体は中性子照射に対して赤色レーザーを照射することによって約390nmの輝尽性蛍光を発し、市販のイメージングプレートと同じ励起波長及び蛍光波長を有するという大きな特徴を持つ。このため、本蛍光体をAlプレートに塗布したイメージングプレートを作成した。本イメージングプレートに中性子を照射し、市販のイメージングプレート用リーダを利用して、リチウムブロックで製作した被写体の中性子イメージを読み取る実験を行った。塗布するのに使用した接着剤は、ラッカー系,合成樹脂系、及びガラス系の3種類である。実験の結果、輝尽性蛍光強度は小さいものの、中性子イメージが取得できることが確認できた。また、位置分解能はリーダの読み取り精度を50mとした場合、0.2mmであった。さらに位置分解能性能を向上させるためには、蛍光体粉末粒度の制御が肝要である。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 松林 政仁; 中村 龍也; 近藤 泰洋*
放射線, 29(4), p.189 - 197, 2003/10
中性子イメージング用新輝尽性蛍光体として、ホウ素を母体に含んだ軽元素からなるSrBPO:Eu及びSrBPO:Ce蛍光体について報告した。両蛍光体は中性子照射により、それぞれ約390nm及び340nmにピークを持つ輝尽性蛍光を発することを確認した。また、輝尽性蛍光出力は中性子エネルギーの-0.5乗に比例し、それが中性子とホウ素の核反応によるものであることもわかった。また、実際に実現可能な光子収集効率として20%を仮定すると、量子検出効率は40%程度となり、IPのそれより上回る可能性もある。市販の中性子IPに比べると中性子感度は低いものの、線感度と中性子感度の比はこれらの蛍光体の方が1桁優れており、したがって、これらは線が混在する場で使用可能な新しい中性子IPの材料となる可能性を秘めた蛍光体であると言える。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 高橋 浩之*; 中澤 正治*; 近藤 泰洋*
Applied Physics A, 74(Suppl.1), p.S1589 - S1591, 2002/12
被引用回数:30 パーセンタイル:71.8(Materials Science, Multidisciplinary)パルス中性子の2次元イメージング用蛍光体としてSrBPO:Eu蛍光体の特性を調べた。われわれは本蛍光体が、Gdのような中性子有感物質を添加しなくても、中性子照射後、635nmのレーザー光を照射することによって輝尽性蛍光特性を有することを発見した。単位中性子束あたりの輝尽性蛍光の強度は中性子エネルギーの-0.5乗に比例することがわかった。中性子感度は母体中のホウ素をホウ素-10に濃縮することによって増大することを確認した。線感度と中性子感度の比は市販の中性子イメージングプレートより10倍優れていることも確認した。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 高橋 浩之*; 中澤 正治*; 近藤 泰洋*
2002 IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, Vol.1, p.455 - 459, 2002/00
中性子ストレージ蛍光体としてのSrBPO:Euを調べた。著者らは本蛍光体が中性子照射後635nmのレーザーを照射することによって輝尽性蛍光を発することを見出した。この蛍光体の中性子感度は中性子エネルギーの-0.5乗に比例することがわかった。また、濃縮ボロンを用いて作製した本蛍光体の中性子/線感度比は市販のイメージングプレートより優れていることもわかった。さらに、蛍光体サンプル表面をレーザーで走査することによって、コリメートされた中性子ビームのイメージが明瞭に得られた。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 高橋 浩之*; 中澤 正治*; 近藤 泰洋*
電気学会原子力研究会資料(NE-01-8), p.41 - 46, 2001/09
中性子イメージング用蛍光体としてSrBPO:Eu蛍光体の特性を調べた。われわれは本蛍光体が中性子照射によって輝尽性蛍光特性を有することを見出した。この輝尽性蛍光の強度は中性子エネルギーの-1/2乗に比例することがわかった。また、中性子感度は蛍光体中の天然ホウ素をBホウ素に濃縮することによって増大することを確認した。線感度と中性子感度の比は市販の中性子イメージングプレートより一桁優れていることがわかった。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 中村 龍也; 高橋 浩之*; 中澤 正治*
JAERI-Conf 2001-002, p.639 - 644, 2001/03
パルス中性子イメージング用蛍光体としてSrBPO:Euについてその諸特性を調べた。SBPは、X線照射ののち、632nmのレーザーを照射することによっていわゆる輝尽性蛍光を発することを確認した。また発光のスペクトル特性はEuに起因する390nmにピークを持つものであり、通常のイメージングプレートと同様であった。また、SBPは通常のBaFBr:Euと比べて密度が低いため、線が混在した中性子場においても使用可能であった。また、SBPはその母体中に中性子有感物質であるほう素を含んでいるので、通常の蛍光体のように中性子有感物質を添加することなく、中性子測定が可能である。予備実験の結果、SBPは中性子に対しても輝尽性蛍光特性を有することがわかった。